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11月7日(土) TOHOシネマズ シャンテ他にてロードショー映画『ジャック・メスリーヌ』。 12月12日(土)TOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー映画『パブリック・エネミーズ』

ギャング万歳!脱獄最高!本当の<社会の敵>はどっちだ!

地獄の底では脱獄は権利であり義務でありビジネス ヴァンサン・カッセル as ジャック・メスリーヌ

【Part.1】ノワール編ではメスリーヌが強盗を重ねカナダへ逃亡し投獄、驚異の脱獄劇により<社会の敵No.1>と称されるまでを描き、【Part2】ルージュ編ではフランスに戻り、銀行強盗、誘拐、脱獄を繰り返し、1979年11月、パリで警官隊に囲まれ壮絶な死を迎えるまでを描く・・・といったフランスのオールスターキャスト勢揃いで男のための4時間ギャング祭りが開催される。

モノホンっぽいジェラール・ドパルデューとのギャングコンビによる裏切り者への「土葬リンチ」、特別懲罰刑務所での精神的リンチ、マチュー・アマルリックとの華麗なる脱獄、自分をゴロツキ呼ばわりしたジャーナリストへの報復・・・などリアルで凶悪な犯罪王がしっかり描かれる。体重20kg増減させ七変化しジャック・メスリーヌを演じたヴァンサン・カッセルの鬼気迫る演技に殺られろ!

銀行強盗は1分40秒、きっかりで済ませる。 ジョニー・デップ as ジョン・デリンジャー

オープニングからインディアナ州クラウンポイント刑務所を襲撃し仲間を脱獄させる!そして刑務所に向かって機関銃を乱射、逃走中ミスった仲間を車からブン投げる・・・と、ジョニー・デップ目当ての女子が卒倒するスタートだ!

最新式のV型8気筒エンジン搭載のフォードにハコ乗りし、最新鋭の自動小銃をぶっ放し仲間のギャングと共に順調に銀行を次々に襲撃、捕まっても脱獄するなどFBIの捜査網をかいくぐる姿は英雄にも映る!

そんな無法者・デリンジャーを追う敏腕FBI捜査官メルヴィン・パーヴィスには、ジョン・コナー(『ターミネーター4』(09))、バットマン(『ダークナイト』(08))ことクリスチャン・ベイル。Otis Taylorの「Ten Million Slaves」の激シブいトラックをバックに描かれる2人の壮絶なバトルはさすがマイケル・マン、野郎の血を煮えたぎらせてくれるぜ!
13ヶ月で散ったアメリカの歴史上最高の銀行強盗の雄姿を見よ!



これで君も<社会の敵>!仁義なき

一、惚れた女を巻き添えにしろ!

パブリック・エネミーズ

メスリーヌでは、関係した女性が大量に登場。Part.1、2あわせて娼婦サラ、ソフィア、ジャンヌ、ブルサール警視に襲撃された時の女、シルヴィアと計5人だが他にもちょくちょく登場。ほとんどと言っていいほど悲惨な巻き添えを食らわす。特に最後の女、リュディヴィーヌ・サニエ(『スイミング・プール』)演じるシルヴィアは命は奇跡的に取り留めるが一緒にハチの巣にされて『キャリー』のシシー・スペイセク状態になる!

デリンジャーが生涯愛した女性、マリオン・コティヤール(『エディット・ピアフ 愛の讃歌』(07))演じるビリー・フレシェットはFBIのメンツをかけたデリンジャー捜査網により捕えられ、殴られるわトイレも行かせてもらえないわの過酷な尋問を受ける羽目に・・・が、惚れた男のために口を割らない。しかも捜査官相手に「彼は必ず殺しに来るわよ!」と逆に恫喝、震え上がらせる!

二、脱獄後には仲間を助けにいくべし!

ジャック・メスリーヌ

デリンジャー、メスリーヌ2人共に共通しているのが華麗なる脱獄だが、ただの脱獄するだけではなく戻って仲間たちを颯爽と助けに行ってしまう!既出したデリンジャーのオープニングの解放劇は鮮やかな手口でクールに描かれており、仲間もほぼ逃走に成功している。

が、メスリーヌの解放劇は男気の真骨頂だ。USC(特別懲罰刑務所)に装甲車で真正面から突入!壮絶な撃ち合いを披露し片っ端から警官、看守を射殺。その上手榴弾でパトカーを爆破など大暴れしちょっとした内戦状態に。しかも逃げようとした仲間は看守に撃たれている!でもこれも全て脱獄に協力してくれた仲間への約束を果たすため。失敗したなんて野暮なことは言うのはやめよう。

三、潔く最後はハチの巣だ!

パブリック・エネミーズ

メスリーヌは警察の執拗な追跡から逃亡を続けたが、自身も終わりが近づいていることを感じシルヴィアに向けた遺言録音を吹き込む。そして1979年11月2日パリでオリヴィエ・グルメ(『ゴー・ファースト 潜入捜査官』(08))演じるブルサール警視率いる警官隊に囲まれ21発の銃弾を撃ち込まれる。

デリンジャーは最後は捜査官パーヴィス指揮のもと、おびただしい数の銃弾をデリンジャーに浴びせたしい。死後悲しんだファンが、彼の倒れた地面にあった血だまりに自分のハンカチを浸して血を吸い取ったり、何千という人間が死体保管所にデリンジャーの遺体を見ようと並んだという。


本当に凄い『パブリック・エネミー』映画はどっちだ?!

1930年代、アメリカ大恐慌の時代に大胆不敵な銀行強盗として悪名を馳せた、『パブリック・エネミーズ』のジャック・デリンジャー。1960年代、伝説の犯罪王としてフランス、さらにはカナダを震撼させた、ジャック・メスリーヌ。この二人のジャックはそれぞれ、偶然にも「パブリック・エネミー(社会の敵)No.1」と呼ばれていた銀行強盗であり、脱獄王だ。ここでは、この二本の映画を比較しながら、どちらのパブリック・エネミー映画が本当に凄いのか?を、検証してみたい。

主演俳優!

パブリック・エネミーズ

『パブリック・エネミーズ』でジャックを演じるのは、天下のジョニデ様ことジョニー・デップ(46)。片や、『ジャック・メスリーヌ』でジャックを演じるのは、ハリウッドでも活躍するフランス人俳優、ヴァンサン・カッセル(43)。それぞれ国を代表する実力派の俳優ではあるが、知名度、人気、実績、どれを取ってもヴァンサンには分が悪い。しかもジョニーは先日アメリカのPEOPLE誌が発表した、今年の「世界で最もセクシーな男性」に選ばれたばかりだ。嫁対決では、豊満セクシー女優モニカ・ベルッチを妻に持つヴァンサンと、フランス人女優でミュージシャンのヴァネッサ・パラディがパートナー(結婚はしてない)デップはいい勝負だと思うが、世界的な認知度や人気の高さから言えば、デップの勝利。

パブリック・エネミーズ

監督対決!

『パブリック〜』の監督は、マイケル・マン。『ヒート』『インサイダー』など、ハードボイルドかつ男気溢れる作品を数多く世に送り出したベテラン職人監督。今作も、相変わらず冴えたカメラワークや美しく度肝を抜くショットが満載である。一方、『ジャック〜』の監督は、代表作がジョン・カーペンターの『要塞警察』のリメイク、『アサルト13 要塞警察』ぐらいしかない、ジャン=フランソワ・リシェ。将来性はあるかもしれないが、そのキャリアから言っても、圧倒的にジャン・フランソワのほうが分が悪い。マイケル・マンの勝ち。

ジャック・メスリーヌ

脱獄王!

二人の共通した特技が天才的な脱獄の腕前だ。『パブリック〜』冒頭のオープニングの脱獄シーンは実に鮮烈で最高の掴みだったが、『ジャック〜』の脱獄シーンも目を見張るものがある。特に、Part 1のラストの大胆すぎる白昼の脱出劇はエキサイティングだし、Part 2でのマチュー・アマリック演じる脱獄王仲間と共にトライした鮮やかな脱出劇も華麗だ。知性と度胸を併せ持った二人の脱獄王だが、この勝負はメスリーヌの勝ち。

運命の女

ジャック・メスリーヌ

『パブリック〜』でデップの心を射抜くヒロインを演じるのが、『エディット・ピアフ』でアカデミー賞を受賞したフランス人女優、マリオン・コティヤール。気品があって長身で、演技力も文句なしの才能溢れる女優だ。しかし、『ジャック〜』のほうも負けていない。メスリーヌが結婚するスペイン人や娼婦はともかく、その後登場する最強の相棒であり恋人、ジャンヌを演じたセシル・ド・フランスは、銃が似合うタフな存在感が光る女だ。さらに、メスリーヌの最後の恋人であるシルヴィアを演じるのが、リュディヴィーヌ・サヴィエ。フランソワ・オゾン監督のミューズでもある彼女が、ゴージャスかつコケティッシュな魅力を振りまき、男臭い殺伐とした世界に華をもたらす。いつもどおり美しいヌードを曝け出したセックス・シーンもありだ!結果、この「パブリック・エネミー」映画対決、『ジャック・メスリーヌ』の勝ち!(小林真里)