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ウィレム・デフォー主演 ハンター THE HUNTER

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生きる伝説ウィレム・デフォー主演『ハンター』は、人間のエゴや欲望を打ち抜く

妖しい魅力を放ちながら、メジャー・インディペンデント関係なしにその垣根を自由奔放に行き来する名優・ウィレム・デフォー。生きる伝説である彼が、顎鬚を蓄えライフル片手に孤高の男を演じた映画『ハンター』。今では絶滅し、幻とされているタスマニアタイガーを追い求め、未知なる大自然へと足を踏み入れたデフォー演じる百戦錬磨の衛兵マーティン。彼は果たして何を撃ち抜くのだろうか。

舞台は、オーストラリア本土の南に位置するタスマニア島の驚異的な大自然。部外者を寄せ付けない危険な香りのする未開の地に、一人の男がやってきた。大学から派遣された研究者として身分を偽りアームストロング一家の住む古民家を拠点にする。だが彼の荷物の中には高性能ライフルが鈍く光っている。この男こそ、バイオテクノロジー企業であるレッドリーフ社からの任務を遂行すべくこの地に派遣された傭兵で凄腕のハンターであるマーティンだ。彼の目的はただ一つ、70年前に絶滅したとされながらも、最近目撃情報があった幻の動物・タスマニアタイガーを捕獲すること。ライバル企業に先手を打たれないよう、何としてでもその存在を突き止めなければならない。しかしその捜索の行く手には大きな障害が次々と立ちはだかる。

本作で描かれるのは、大自然を相手にしながらも、人間たちのエゴや欲望に翻弄されてしまう一人のストイックな男の姿だ。誰にも心を開かず、仕事は常に一人という信条を持つマーティン。自分の世界を崩すことなく、他者を入り込ませる隙を与えない。それがか弱き女子どもであろうとも。しかしそのスタイルは、タスマニアタイガーを追うミッションを与えられてからというもの少しずつ変化していく。マーティンの前に立ちはだかるのは過酷な大自然のほかに、彼をエコロジストと敵対視する山の男たち。彼らはマーティンだけにとどまらず、アームストロング一家にまで危険な刃を向けてくる。そしてアームストロング家の大黒柱で、山に入ったまま行方不明になっている夫ジャラの死を匂わせてくる。

人間たちの争いの渦中に放り込まれてしまったマーティンが、その銃口を山の男たちに向けるのは時間の問題である。だが、幻と思われていたタスマニアタイガーの匂いも鼻腔をくすぐる。さらに背後から忍び寄る新たなハンターの気配も感じるようになる。ライフルのスコープの先には、一体何が待ち構えているのか。絶滅したとされるタスマニアタイガーは存命しているか。孤高の男に衝撃の結末が待ち受ける。

変幻自在の顔面芝居封印!ウィレム・デフォーの進化し続ける驚異的演技メソッドとは?

その時代の流行的ヒット作品ではなく、時代を超越する名作・問題作・カルト作で必ずといっていいほど顔を見る俳優が少なからず存在する。クリストファー・ウォーケン、ハーヴェイ・カイテルなどがそのチームに属しているが、映画『ハンター』で主演を張っているウィレム・デフォーもその中心的メンバーの一人だ。

険しい岩山のようにゴツゴツと角張った顔のフォルムと、存在感をギョロギョロと訴える大きな瞳とその目力は、一度見たら忘れることのできないインパクト。ジャンル、役柄に関係なく全ての出演作品で「何かをやらかしそうなオーラ」を画面から臭い立たせる点においては、右に出るものはいないだろう。映画『プラトーン』(オリヴァー・ストーン監督)、映画『ワイルド・アット・ハート』(デヴィッド・リンチ監督)、映画『処刑人』(トロイ・ダフィー監督)、映画『アンチクライスト』(ラース・フォン・トリアー監督)、映画『狂気の行方』(ヴェルナー・ヘルツォーク監督)など過去出演作から見えてくるのは、類は友を呼ぶ的共鳴感。ツウな映画監督たちに寵愛されていることは明らかだ。自身の中に狂気を宿す彼らに好かれる一方で、映画『スパイダーマン』『ファインディング・ニモ』『ジョン・カーター』などメジャー超娯楽大作にも好んで起用されるのは、俳優としての引き出しの多さ故。

デフォーの芝居の特徴は、顔面変化にある。クールな表情を覗かせたかと思えば、次の瞬間は恐ろしいほどの笑みを浮かべ、また次の瞬間には怒り狂う表情を浮かべる。コメディアンとして出始めた当初のジム・キャリーは、その変幻自在の顔面芝居に影響を受けているに違いない。しかしデフォーは、映画『ハンター』でそれを捨てた。劇中では常に無表情で、しかも顔の変化を隠すかのように口元にはヒゲを蓄えている。このビジュアルは映画『ディア・ハンター』のロバート・デ・ニーロを意識したと思われるが、“ハンター”という共通点だけで真似たわけではないのは、クライマックスを観れば明らかだ。

デフォー演じる孤高の男、マーティンには尋常ならざるストイックさが感じられるが、それはデフォー自身が顔面演技という得意技を自らに禁止するというストイックな姿勢と無関係ではない。この姿勢は役柄に投影され、現実には存在しないキャラクターにリアリティと立体感を与えた。デフォー、現在56歳。彼の演技メソッドは衰えるどころか、歳を重ねれば重ねるほど進化しているようだ。

ウィレム・デフォーインタビュー

(1) 本作への出演を決めた一番の理由は何ですか?

A.自分が演じるマーティンの孤独を感じるキャラクターと感情です。孤独で人との関係を遮断していた彼が、再び人と繋がりを持つ、感情の旅路を描いた物語に惹かれて。

(2) 映画鑑賞後、主人公のマーティン役はデフォーさんでしか演じられないと思わせるほど、感情を出さない謎めいたキャラクターがぴったりとハマっていたと思いますが、演じられた今だからこそ分かる、マーティンとのご自身との共通点はありますでしょうか?

A.ハンターとしてのキャリアの終焉を待っている男。過去に何か悪いことをしているだろう。そして、過去に何かしら深く傷ついた経験を持っているだろう。だからこそ人と触れ合うことを避けて生きている男だと思います。 自分とは全く異なるキャラクター。自分自身は人が好きで社交的です。大自然に身を置くことで、自分の中の新しい要素が引き出されました。自然から受けたリアクションが演技に活かされ、物語が作り上げられたと思います。

(3) 本作の見どころのひとつに、主人公マーティンのキャラクターをより反映するような、素晴らしいロケーションがあります。実際のタスマニア島での撮影はいかがでしたか? 何かエピソードがあれば教えてください。

A.タスマニア島でしか撮ることが出来ない作品。この大自然がキャラクターの1つです。役者としては、このような未体験の場所に身を置くことで、自分の中の新しい要素が引き出されます。自然の力が役作りの助けになります。 ただ、天候の移り変わりの激しさや、足場の悪さなど、もちろん苦労もしました。たくさんのヒルが体に張り付いたこともありました。

(4)  デフォーさんは、映画に出演される際、「監督との信頼関係」を非常に大事にされるようですが、今回、この映画が長編第一作目というネットハイム監督とはどのような信頼関係を築かれましたか? また監督とのお仕事で印象に残ったエピソードなどありましたら教えてください。

A.監督はこの作品は10年以上も前から温めていた企画で、リサーチも十分に行っていたし、作品のビジョンも明確でやりやすかった。