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フィンチャー監督が『ドラゴン・タトゥーの女』に込めた真のテーマとは?

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2/10(金)と公開迫る『ドラゴン・タトゥーの女』でも扱われる“猟奇殺人”と呼ばれる陰惨な殺人事件は、しばしば映画をはじめとする様々な作品のテーマとされてきた題材だ。

殺し方もエグければ、それらを料理して美味しく召し上がってしまうド変態のレクター博士を描く『羊たちの沈黙』(1991年)や、1900年代初頭に書かれた猟奇犯罪の本と同じ殺人が行われる『ボーン・コレクター』(1999年)、“公開殺人支援系サイト”のアクセス数に応じて拷問殺人生放送が行わてしまという、笑いごとでは済まないリアルさが高評価を受けた『ブラックサイト』など、猟奇的な作品を挙げればキリがないのだが、ここはやはり本作の監督であるデヴィッド・フィンチャーが手がけた『セブン』と『ゾディアック』という、ふたつの名作に触れておくべきだろう。

『セブン』は1995年に公開されたサイコ・サスペンスだが、キリスト教の用語「七つの大罪」をモチーフにした緻密な計算のもとに犯される猟奇的な連続殺人/拷問描写は、公開から10年以上を経た今も薄れることのないショッキングな内容だ。そしてアメリカで実際に起こった連続殺人事件を扱った『ゾディアック』は、現在も犯人不明な未解決事件を扱っている。そのためか、スリリングな展開や複雑な謎解きよりも、むしろ重厚な人間ドラマをメインに据えており、“事実を知るということのリスク”をじっくりと観る者に問いかけるかのような、一味違ったサスペンス映画に仕上がっている。

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そして本作『ドラゴン・タトゥーの女』でも、ある猟奇殺人が大きくフィーチャーされているのだが、ここに登場する“聖書の一節になぞらえた連続殺人事件”は、何年も未解決のまま。やがて、それらが物語の本筋である「40年前の少女失踪事件」と交わったとき、人々の運命は大きく動き出す。そこから先は堰を切ったように物語はぐんぐんと進んでゆくが、そこまでにミカエルとリスベットの2人のキャラクター描写にたっぷり時間を割いているため、観客は知らず知らずのうちに彼らに感情移入してしまうのだ。

もちろん、思わず目を背けたくなる残酷な殺害描写も捜査の過程で描写&説明されるし、登場人物がサラリと吐露する近親相姦エピソードもかなりエグい。しかしそれらの刺激的な要素や謎解き過程をメインに描いた過去作と、この『ドラゴン・タトゥーの女』が決定的に異なる部分がある。それは、全くタイプの異なる男女が“出会い、惹かれあう”姿を描いた、ささやかなラブ・ストーリーが描かれているという点だ。単なるサスペンスやスリラー以上の深い物語性に気づいたとき、我々は改めてこの作品に感嘆することになるだろう。フィンチャー監督がこの作品に込めた真のテーマを感じ取ることができるのではないだろうか。

映画『ドラゴン・タトゥーの女』は、2012年2月10日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー

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HotTrash.com:2012年02月07日16時37分]

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