『カイジ 人生逆転ゲーム』 天海祐希インタビュー


- 『カイジ 人生逆転ゲーム』
天海祐希
- 多額の負債を帳消しにするため、謎の組織が主催するゲームに参加して人生の一発逆転を狙う若者の奮闘を描く『カイジ 人生逆転ゲーム』。藤原竜也演じる主人公カイジを、ゲームに誘う悪徳金融会社の女社長・遠藤凛子を演じた天海祐希が、映画にまつわるさまざまな話を語ってくれた。(取材・構成・撮影/T.T.)
遠藤凛子は、モノのように人を観る視線が強烈!
Q:ご出演は快諾だったそうですが、物語が放っている魅力以外に、遠藤凛子というキャラクターがダークサイド寄りだったという理由もありましたか?
もちろん(笑)! 遠藤がダークサイドだったということが、一番大きい理由かも知れない。いままで、なかなか正面切った黒い役柄ってなかったですし、しかも遠藤は硬派。このメンバーで悪女となれば、毒々しいイメージがありますが(笑)、遠藤は名前の通り、“凛”としている。観ているかたがどう感じるかにもよりますけど、男気あふれる感じにも惹かれました。
Q:冒頭からしばらく経ったシーンで、煮え切らないカイジに対して遠藤が机を蹴飛ばすシーンがありましたが、演技とはいえ、爽快でしたか?
ええ。気持ちいいものですよ(笑)。なかなかできることじゃないですし、面白かったですね。しかも、蹴飛ばされる相手が、藤原君演じるカイジですからね(笑)。遠藤は、カイジをゲームの世界に引き込む張本人ですよね。アンタの人生などわたしには関係ないのよ! っていう自己中心的で強引で情け容赦ない性格。モノのように人を観る視線が強烈だなと思いましたね。
Q:そのカイジを演じた藤原竜也さんと共演された感想はいかがでしたか?
舞台を拝見したことがありますが、真ん中にいる器の人だなって思いました。当たり前ですけど、真ん中にいられるということは、どのポジションもできる人。それに、いましかない輝きがまぶしい。ひたむきで誠実なスタンスも素晴らしい。人に好かれている理由がよくわかります。あと、子どもらしいところもね(笑)。アンバランスでバランスを取っている感じが、魅力的でしたね。
わたしの中には陰の要素がまるでなく、完全に陽です!
Q:カイジはダメ男ですが、どこか安心して観ていられるのは藤原さんの演技力ですよね。
ええ。そうだと思います。藤原君は根本的に持っている要素が、陰と陽で言えば、陽ですよね。お腹の中まで陽なのかな(笑)。それがカイジに出ている。今後はどこか人生の影がある役柄がついてくるようになると思うし、生まれながらの業を背負っているような哀しい男を演じている藤原君も観てみたい。陰と陽とか、色気かもしれないですが、藤原君は陽の色気がすごいなと(笑)。
Q:陰と陽の例えで言えば、天海さんはどちらかと、強いて言うなら陽の立場になりますよね?
ええ。完全に陽です(笑)。そこに陰な感じがプラスされていけば、いままでと違う自分になれるとは思いますが、なかなか陰的な要素が自分の中になくて(笑)。というか、まったくない! 毎日くだらないことで、笑いを探そうとしているようじゃだめですよね(笑)。最近、藤原君と光石研さんとご一緒になる機会がありましたが、3人でくだらない話をしていたばかりです(笑)。
Q:それこそ、役柄では遠藤や、『アマルフィ 女神の報酬』の紗江子も影のある女性でしたね。
そうですね。表面的にはまったく出ていないけど、どこか陰の部分がある女性でしたよね。
観ている人にとっても頑張れる“かけら”がきっとある!
Q:確かに、人は簡単にだませても、自分自身だけは絶対にだませないものですからね。
そうですね。たとえとしたら、小さいレベルですが、そういう小さな勝ちを積み上げていくことで自信になり、それで初めて表に出て行って勝負に勝てるようになると、わたしは思っています。勝とうとするだけじゃなくて、勝たなければ意味がないというセリフだけでなく、共感するというよりも、はーって思うことが『カイジ 人生逆転ゲーム』にはたくさん出てきますよね。
Q:また、格差社会が広がった現代に、この映画が出ていく意味についてはいかがでしょうか?
ええ。それは考えますね。とても面白いことだと思います。原作が出た当時でも、定義は難しいですが、勝ち組、負け組という分類はあったと思います。その分類が、現代は普通になっているので、タイミングとして受け入れられているように思いますね。5年前でも大丈夫だったと思いますが、浸透している現代だからこそ余計に厳しい状況を直視して振り返ることができますよね。
Q:この映画を観た多くの人が、カイジの気分になって映画館を出ていくような気がしますよね。
そうですね(笑)。カイジは無我夢中で走り回って、希望のかけらをようやく見つけますよね。それをモチベーションに頑張るわけですけど、観ている人にとっても頑張れるかけらがあると思います。それを見つけて、現実に戻ってほしいと思いますね。人生をもう1度頑張ってみようと感じてもらえると思うので、映画館を出た後の空が、すがすがしく感じるかもしれませんよ(笑)。












