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『252−生存者あり−』伊藤英明インタビュー

『252−生存者あり−』伊藤英明インタビュー
INTERVIEW
『252−生存者あり−』
伊藤英明
もしも首都・東京が巨大台風に襲われたら――そんな悪夢を邦画史上空前のスケールで映像化した『252 生存者あり』が公開に!新潟中越地震のトンネル崩落事故の奇跡の救出劇を原案に、未曾有の自然災害に遭う人々のサバイバルを描くパニック超大作で、壊滅的な打撃を受ける新橋・台場・銀座の衝撃映像も話題の的だ。
そんな一大スペクタクル映画で、元ハイパーレスキュー隊員だった主人公を熱演した伊藤英明さんにさまざまな話を聞く!(取材・構成・撮影/編集部 P.Q.)
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全員が一丸となってチームのように撮影をこなせたことが幸せに感じました

全員が一丸となってチームのように撮影をこなせたことが幸せに感じました

Q:いよいよ『252 生存者あり』が公開されますが、現在の心境はいかがですか?
まず僕を想定して脚本を書かれていたことがうれしかったですし、この『252 生存者あり』の企画が動き出してからは、完成するまでが早かったですね。この『252 生存者あり』の企画を映像化するということは、大がかりなプロジェクトになるだろうと思っていたので、信じられないような感覚で撮影に臨んでいたんです。
Q:完成した『252 生存者あり』をご覧になった、最初の感想はいかがでしたか?
まだ客観的に観れていなくて、公開されてからのお客さんの反応を知って初めて、客観的に観れるのだと思います。とにかくセットが巨大で撮影も大がかりだったので、撮影中は毎日充実感と達成感がありました。興奮して撮影していたことを思い出します。全力で準備して役にぶつかったので、いろいろな思いが頭を巡りました。
Q:撮影が大変だったことは想像に難くないですが、実際にいかがでしたでしょうか?
どの現場も大変なのですが、強いて言えば、ホコリがすごかったですね(笑)。とにかく、CGを意識して演技するなど目新しい経験が多かったので、毎日現場に行くことが楽しかったです。100人ぐらいのエキストラさんを毎日呼んでいて、全員が一丸となってチームのように撮影をこなせたことが幸せに感じました。

“自分の命を投げ捨ててまで他人を救えるのか?”っていうことを考えました

“自分の命を投げ捨ててまで他人を救えるのか?”っていうことを考えました

Q:元ハイパーレスキュー隊員を演じるうえで、どのようなリーサチをされましたか?
大波が街を飲み込んだり、土砂が崩れたり、脚本上で想像するだけでは分からないこともあって、現場でいろいろと考える必要性もありましたが、実際に働いている消防士の方々にお会いしてお話を聞いたり、実地訓練に参加させていただいたりするなかで、少しずつキャラクターを作り上げていった感じですね。
Q:今回のリサーチの作業のなかで、印象に残ったエピソードなどはありますか?
実際に働いているレスキューの方々は“人を救うことに自分の存在意義がある”と思われていて、救えなかったときに自分の方法が間違っていたのではないか、自分の親兄弟だったら救ったんじゃないのかとか、そういう葛藤のなかで闘っているそうです。本当に崇高な職場で働かれているんだなと改めて思いました。
Q:“自己犠牲”の精神について考えさせられますが、ご自身に当てはめてみていかがですか?
自己犠牲についてはいろいろと考えましたけど、“自分の命を投げ捨ててまで他人を救えるのか?”っていうことは、すごい難しいことですよね。たとえば、自分自身の親兄弟、子どものために自分の心臓をあげてもいいぐらいの覚悟ぐらいは考えたことがあります。他人を救うために闘っている人たちには頭が下がりますね。

自分のことを育ててくれた親のことを思い、親が愛しくなりました

自分のことを育ててくれた親のことを思い、親が愛しくなりました

Q:『252 生存者あり』に出演されるにあたって、全体的にどういったことに気をつけましたか?
役はリサーチを通してディテールを作れるんですけど、現場に入ってみないと分からないことが多いんです。共演者の方だったり、セットの様子などは実際に会い、観てみないと分からなくて、どういう動きをしたらいいのかはセットの中で考えることが多いです。もちろん、共演者にも助けられていますし、感謝しています。
Q:映画の中でヒーローを演じられることが多い伊藤さんですが、『252 生存者あり』で心がけた点は何ですか?
子どもを持つ親の心境って僕には分からないし、この『252 生存者あり』の中では子どもを猫のようにかわいがってもおかしいと思ったので(笑)、ちょっとした仕草を役に反映してみようとか、そういうことを心がけました。
Q:レスキューものが続くことに迷いはありませんでしたか?
『海猿』シリーズ以外でもいろいろと役をやっているので、プレッシャーには感じませんでしたね。それに、完成した映画を観て圧倒されたので、出演したことが誇らしく思えます。とにかく、『252 生存者あり』が完成したことが夢みたいで、感謝したいと思います。
Q:伊藤さんにはヒロイックなイメージがありますが、ご自身ではどういう役が好きですか?
難しいですね(笑)。ただ、体を動かして馬に乗ったり、ガンアクションをしたりすることも好きですし、“やっている感じ”がする役が好きですね。役を通して躍動する感じかもしれないですね。じつは来年公開の『カムイ外伝』では初めて悪役を演じましたが、悪い男を演じるのも、それはそれで難しいと思いました(笑)。
Q:悪役を演じるうえでは、それ以外の役と比べてどのようなことが難しかったのでしょうか?
自分は悪いと思い込んで演じなければならないことでした。本当の悪人は悪事をしていることに抵抗がないし、気づいてもいないかもしれない。逆に言えば、善人役にも当てはまる心境だとは思います。どうしても演じようとすると、自分の中に決まりごとを作ってしまい、それに囚われてしまうので、難しいですね。
Q:『252 生存者あり』で演じられた役を通して、改めて思ったことなどはありますか?
自分には子どもがまだいないので、分かったつもりかもしれないですけど、自分のことを育ててくれた親のことを思いましたね。親が愛しくなりました。友人の中には子どもを持っている親が多いので、子どもってかわいいなって改めて思いましたし、自分にも子どもがほしいなとも改めて思いました(笑)。

人生をたくさん経験することが、俳優として大きくなっていくこと――

人生をたくさん経験することが、俳優として大きくなっていくこと――

Q:街中に『252 生存者あり』仕様の防災のポスターが張ってありますね。
自分にできることなら、全力で役には立ちたいと思います。1人1人の防災意識って絶対に大事だと思います。災害が起こったときにパニックにならないことが一番大事なことで、『252 生存者あり』を観ていただければ分かると思いますけど、そういうメッセージもあると思います。
Q:また、親子の絆だけでなく、兄弟の絆もテーマとして描かれますが、内野聖陽さんとの共演はいかがでしたか?
撮影中もほんの数日間の共演だけで、ほとんど会っていないんです。ただ、撮影前の訓練で“弟よ!”って言ってくれて、打ち解けることができました(笑)。内野さんにお会いする前は怖いイメージしかなかったので、もし敵役だったら口もきいてくれなかっただろうと思ったら、兄弟役でよかったなと思いました(笑)。
Q:俳優としての伊藤さんと内野さんも、正反対のキャラクターなのでしょうか?
どうでしょう(笑)。ただ、さまざまな現場を経験されてきた方なので、現場を引っ張っていくパワーがすごいと思いましたし、とにかくいろいろなアイデアをお持ちなんです。現場に入らないと分からないことってたくさんあるものなので、内野さんはすごい考えていらっしゃいますし、監督ともよく話し合いされていました。
Q:逆にご自身が演じられたキャラクターから影響を受けたことなどはありましたか?
『252 生存者あり』の出演を経てからは、古い建物に入ることが怖くなりました(笑)。東京は道を歩いているだけで、何かあったら危険な街だと思います。田舎は土地が広いですが、東京は狭くて怖いですね。仕事でホテルなどを利用することが多いですが、非常口や避難経路を確認するようになってしまいました(笑)。
Q:『252 生存者あり』に限らず、役を演じるうえでの一貫した想いというものはありますか?
いいことも悪いことも経験として自分で受け止めて、それを役に反映させることをこころがけています。どんな役でも自分の中にあるものから出てくるものなので、どんな小さなことでも目を向けたりするように心がけています。最近はどんな困難なことにぶつかっても、いい経験だったと思えるようにもしています。
Q:最後にお聞きしますが、俳優にとって大切なこととはズバリ何でしょうか?
スーパーマンのようなファンタジックなヒーローを演じることとは別に、リアルな人間を演じることって難しいんです。日々、何を見て、何を聞いて、何を感じて生きているのかを考えることが、この仕事にとって非常に重要だと思いました。人生をたくさん経験することが、俳優として大きくなっていくことでしょうね。

■プロフィール
伊藤英明
1975年生。岐阜県出身。「デッサン」(97)で俳優デビュー。映画初主演作『ブリスター! BLISTER』(00)では高い演技力が評価され、高崎映画祭新人賞を受賞する。以降、『陰陽師』(01)、『陰陽師 II』(03)、『海猿 ウミザル』(04)、『この胸いっぱいの愛を』(05)、『LIMIT OF LOVE 海猿』(05)、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07)など数々の話題作に出演を重ねる実力派俳優。今後の待機作に来年公開の『カムイ外伝』などがある。

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