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インタビュー

『SweetPain 死神の精度』筧昌也監督インタビュー

『SweetPain 死神の精度』筧昌也監督インタビュー
INTERVIEW
『SweetPain 死神の精度』監督
筧昌也
予告編の『SweetPain 死神の精度』金城武さんが非常に魅力的だった。死神のルックスも気になる。本編、そこには、もっとたくさんの愛すべき魅力的なキャラクター、そしてそれを演じる表情豊かな俳優たち、スクリーンに広がる独特の世界が繰り広げられていた。本作品が初の長編映画の監督だという筧監督。映画一杯に詰まった、この独特な世界はどのようなこだわりでつくりあげていったのだろうか。
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この小説の映画を見てみたかった

この小説の映画を見てみたかった
(C)「Sweet Rain 死神の精度」製作委員会

-筧さんにとっての原作の魅力は・・
この作品は、いい意味でウソが詰まった話。しかもとても気持ち良いウソなので、そのウソにだまされてもいいなぁと思った。 自分はミステリー等が好きなんだけど、原作の小説は、全てのオチと伏線が技術的に高いと思ったんです。 それに、映画化にあたって、自分の好きな、美術や小道具へのこだわり、そしてちょっとしたCG表現とかにも凝れるな・・とか思いました。 とにかく、まず色々な『画』が思い浮かびました。小説は完成度がとても高いのに、自分の入り込める余地がある。とても不思議な小説でした。そして、自分でこの小説の映画を観てみたいと思った。

観る人が自由に見られるように

観る人が自由に見られるように
(C)「Sweet Rain 死神の精度」製作委員会

映画はTVより画面が大きいという事もあって、お客さんがcutのどこを見てもいいと思っています。 自由度を与えるのが大事だと思う。でもそれをやるにはそれぞれのcutにある程度情報量を与えてあげないと、ただの画だけでは見るものがない。だから若干情報量が多めの画作りをしています、小ネタをしこんだりということも。 大事なのは役者さんのお芝居なんだから、背景はそんなに凝らなくていいんじゃないのかという考えもたまに見聞きしますが、そこは考えが違っていて、逆に、背景をより作りこんだとしても、俳優さんたちはそれに負けるようなお芝居をするわけはないし、お客さんも考えながらご覧になるのだから、背景ばかりに目はいかないと思ってる。 今回の映画は、1980年代に関して、賑やかな時代だったとおもいますが、主人公の性格などの設定があったので、小西さんには地味な衣装を着てもらってます。 光石さん演じる、ヤクザの藤田の話では逆にすごくしっかりとはっきりとした色をつけました。藤田と、石田君演じる阿久津も含めて色のある服をハッキリつけて、田中さんが演じる、クールなビジネスヤクザの栗木とは黒と白でコントラスをつけて対照的にしました。

浮世離れした死神と犬のシーン

浮世離れした死神と犬のシーン

‐非常にファンタスティックな死神と犬が歩く天界のようなシーン。絵画的でしたが・・。
人間界は感情があるので、なるべく色を入れて、一方、死神側である境界(天界)のシーンは、逆に非人間的な色のない世界にしました。 グレーの色の世界です。 このシーンはファンタジー感を打ち出すのに重要で、原作にはまったくないシーンなんです。 みんなの思う死神像をあのシーンで、一度、見せてあげないといけないかなと思ったんです。人間界で活動する死神は意外と普通の服で活動するし、その対象の人間に合わせてコスチュームを変えるんだよ、ということを分かり易く伝えたかったんです。 また、いきなり人間界から始まっても良かったんですが、 あの扉を開いた瞬間に切り替わっているというファンタジックさも良いなと思って、繰り返し出しました。 ちなみに、あのシーンで金城さんが歩いているのは、モノレールなんです。 モノレールっていうのは、僕の中で、橋でも道路でもないもの。モノレールってとつぜん都市に現れた、SFっぽい表現なような気がして使いたかったんです。 雲海ではなく、ビルにしたかったのですが、そうすると案外、普通なただのモノレールシーンになってしまうので雲海にしました。
‐象徴的なCGシーンも、観る人への「分かり易さ、抜けの良さ」を求めて、リアリズム一辺倒ではない、ある種記号的なCGを入れたのだという。

魅力的な表情で魅せる登場人物たち

-この映画に出演されている、全てのキャラクターが、役者さんが愛すべきキャラクターとして写る。魅力的に見せる何かがあるのだろうか?
演じてもらっていて、違うなと思ったことは伝えますが、監督として特別な事はしていません。 しいて言えば、脚本の影響かなと思います。脚本をみなさんが気に入ってくれて、芝居に入ってくれているのかもしれません。自分は、映画は、演劇と違って、キャスティングが大きな割合を占めるのではとも、思っています。 今回の映画では、どの出演者の方々もみなさんすばらしいのですが、バイプレイヤーの中では村上淳さんの死神役もかなり面白いと思ってます。

「死神らしからぬ死神」「チャーミングな金城武さん」という部分から注目してしまいがちの本作品ですが、小西さん、富司さん、光石さんをはじめ、出演されている方全ての魅力的な表情に引き込まれてしまう。 ファンタジーの色を大切にしているという筧監督。次回作を期待せずにはいられません。見終わった後、実にさわやかな気分になるファンタジー作品・・是非、多くの方に劇場に足を運んで体験してほしい。

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