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インタビュー

『ウォーター・ホース』ジェイ・ラッセル監督 インタビュー

『ウォーター・ホース』ジェイ・ラッセル監督 インタビュー
INTERVIEW
『ウォーター・ホース』監督
ジェイ・ラッセル
スコットランドの不朽の伝説といえば、世界中の誰もが知っているネッシー!このネッシーを題材に、大胆な発想から本作品が生まれました!少年アンガスとウォーター・ホース(ネッシー)という海獣が心を通わせる感動のファンタジー映画『ウォーター・ホース』。ウォーター・ホースの迫力シーンや、伝説の生き物ネッシーのファンタジー映画といった側面が注目されていますが、この映画でジェイ・ラッセル監督が全編を通して本当に伝えたかったこと語っていただきました。

この映画は新しい神話なんだよ

この映画は新しい神話なんだよ
(C) 2007 Sony Pictures Entertainment(J) Inc.
All Rights Reserved.

―なぜネッシーなのか?単刀直入に伺ってみた。 「ネッシーの伝説はみんなが知っている謎。世界的に知られているからこそ、表面を流れるいいストーリーになるとおもったんだ。そして、ある男の子がいて自分の人生の中にマジックがおこってほしいとおもっている。 世界中で知られている話があるというのと、知らない話があるという組み合わせが面白いと思ったよ。」 ―知られている題材であるがために、映画化にあたって難しい点はなかったのだろうか?
「普通は逆なのだが、まず脚本を読んで、原作をよんだ。そして、この非常に古い話を語りなおすことに興味をもったんだよ。原作者も脚本家もあたらしい神話をつくりあげていると思ったね。 ウォーター・ホースというのは、スコットランドの一番古い伝説の一つ。旅人が休むために湖にいくと、ウォーター・ホースが寄ってきて挨拶をしてくれたり、向こう岸まで渡してくれる。あるいは水中に引きずりこまれるという話は本当に昔からあるんだ。そして、その現代版が、1930年のあの有名な写真。実際は地元のお医者さんがとったのだけど、世界中にネッシーを知らしめることになった写真だよ。
原作が素晴らしいとおもったのは、この古代の伝説と、1930年のネッシー伝説と、自分なりのひねりを加えて、 新しい生き物を創造した点なんだ。」

原作にはなかった戦時中の設定

原作にはなかった戦時中の設定

―この映画はウォーター・ホースと出会うことによって、少年が成長するファンタジー物語、しかし、その背景は厳しい戦時中の設定。軍隊が押し寄せてきたり、お父さんが出兵して家に戻らないという状況が繰り広げられる。これは監督が意図した何かがあるのだろうか?
「まさに、そういうメッセージを入れたかったがために、原作では1930年の設定だったものを、1940年代の設定に直しました。1940年代の設定にしたことで、戦争が描け、ストーリに深みを出すことができたんだ。 また、現代社会に対するメタファーになると思った。 なぜなら、戦争によってはっきり目に見えてわかる結果は、子供にとって、お父さん、もしくはお母さんがいなくなるということ。それが、本当の戦争の現実だよね。」
「戦争は子供の人生にも多大な影響を与えるということをファンタジーを通して伝えたかった。 もちろん、この部分を理解できない子供がいても問題なく、おとぎばなしとして楽しんでもらってもいいんだ。 深く読もうと思えば読めるようにしているんだけど、そこを強調するとエンターテイメント性が少なくなってしまうからね。 あえてそこを表には出さなかったんだ。 平和的でおとなしいウォーター・ホースが怒りに満ちた動物に変わってしまった後、少年アンガスによって、もともとの平和的な動物に戻してあげなくてはいけなくてはいけなかったりね。 ただ、原作者は今回戦争のシーンをいれたことに対して大賛成だったよ。」

ファンタジーというカタチで伝えたかったこと

ファンタジーというカタチで伝えたかったこと

―戦時中の光景も印象的でしたが、映画全編にみられた、湖や田園風景がとても美しかった。
「一番重要なポイントなのですが、戦争は平和を乱すということ。それが無意識のレベルで観客が感じてくれるといいなと思った。なぜなら、今の子供(アメリカ)たちが見ている戦争は、TVの中でおこっていることというだけ。 それがいったい何をするのか、その結果、どうなるのかということを伝えていないんだ。 そこを、ファンタジーというカタチで伝えたいと思いました。 つまり戦争というものはとても暴力的なものであるし、平和を乱すし、美しさというものも壊す。 直接的な結果として、誰か(自分の親とか)が殺されるんだ。 愛情深いすごく平和的なウォーター・ホースという動物さえも、挑発されれば(攻撃)やっぱり怒ってすごく危険なものになるんだ。それをあえてはっきりわからないような形で表現したかった。」

触媒としてのウォーター・ホース

触媒としてのウォーター・ホース
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「これは原作にはなかったことだけど少年アンガスとルイスとお母さんの人間関係を入れたんだ。 それぞれの人はそれぞれ閉じていて、ある種の癒しというものを求めている。 ウォーター・ホースが出てくることによって3人の間のコミュニケーションが図れて癒されてゆくんだよ。 もちろんハミルトン大尉も癒されていく。ウォーター・ホースが人と人との触媒になってるんだ。」

ネッシー中心のお話になるとおもいきや、ジェイ・ラッセル監督の、子どもと戦争に対する想いを熱く語っていただいた。 リアルなウォーター・ホースがスクリーン中に駆け回ったり、水中シーンで魅せる迫力はとても見ごたえがあるし、少年アンガスと周囲の大人たちの心がウォーター・ホースを触媒として変化してゆく過程も興味深い。観る人によって、全く印象の違うものになるのではと思わせる作品です。

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