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「ゲッツ!」の半自伝的小説、ついに映画化!「ワルボロ」福士誠治インタビュー

「ゲッツ!」の半自伝的小説、ついに映画化!「ワルボロ」福士誠治インタビュー
INTERVIEW
『ワルボロ』
福士誠治
NHK『純情きらり』の“達彦さん”が、 角刈り姿も凛々しく、中学イチのツッパリ番長を演じている。 ワルくてボロい、青春グラフティー『ワルボロ』。 なんとも泥臭い、80年代の立川を舞台にした、 ツッパリ中学生たちの勢力争いは、喧嘩上等・男子度100%。 ゲッツ板谷の半自伝的小説を映画化したこの映画で、 新境地を見せる福士誠治にインタビュー。

まず、この映画を観た感想は?

「喧嘩するにしても、この時代は熱いですよね。今はもっと冷たい喧嘩がありそうで、嫌ですけどね。人間味があるというか。思いがあるから、喧嘩するというか。人間味ある80年代を映し出している感じがして、いいなと思います」

頼れる番長“ヤッコ”の魅力とは?

頼れる番長“ヤッコ”の魅力とは?

「曲げない信念、ゆるぎない感じ、それから仲間に対する思い。皆のリーダー、番長格だっていうところが強調されれば、ヤッコっていう人物が見えてくるかなと思いました。ただ、深い信念があるヤツだとか、仲間を思いやったりするヤツだとか、そういうイメージが先行すると、作られた人間像になってリアリティがなくなるから、イメージに捉われずに、その時感じたことを大事にしたいと思いました。たとえば、「硬派だったら、笑わないか」って言ったら、実際はすごく笑うと思うし、冒頭のシーンで松田翔太演じる“コーちゃん”に紙くずを投げるんですけれど、「硬派だったら、紙くずは投げないか」って言ったら、中学生なんだし、紙くず投げたっていいと思うし。海のシーンでも、皆が踊っていても、俺はここは踊らないなと思ったら踊らないし。そうすることで、人間味が出ればいいなと思いました。ヤッコが番長として魅力的に見えるには、じゃあ、どういうヤツに皆がついていくのかなって考えると、ただの堅物じゃ、みんな着いていかないだろうし、おちゃめなところもあるだろうし。カッコいいところもあるだろうし。バランスというか、人間味というか、そこは固定観念を持たず、その場の雰囲気でやれたような気がします」

松田翔太との共演

松田翔太との共演
(C)2007「ワルボロ」製作委員会

「この映画は、“コーちゃん”が変わっていく、成長記でもあるんですよね。“コーちゃん”が揺れている部分は、ヤッコにとっては限りなく揺ぎない部分だし。そういう風にした方が、コーちゃんに刺激になるかなって思いました。松田翔太との共演は、面白かったですね。ヤッコってあまり喋らなくて、コーちゃんといる時がいちばん喋るんですよ。だから、いっぱい掛け合いをさせてもらったんですが、いろいろな案も出るし、その場のアドリブも入るし、それが自然に出てくる相手だったので、やっていて面白かったですね。その時出てくる、一番いいものに仕上げたいっていう感じが、お互いあったと思うので。演者としていいなと好感をもちました」

喧嘩のシーン

「ひとつひとつ丁寧に、パワフルに、エネルギッシュに、役になってアクションができればいいと思っていました。大人数を前に立ち向かっていく場面? すごいですよ。でもヤッコだったら、ビビらないと思うし…でも実際には、ビビってると思うんですよ、多少は。怖くない人なんていないと思うし。でも、不良の精神はそこを見せちゃいけないから、怖くないフリをする。そこが、仲間がヤッコについてくるところなのかなって思います」

熱い現場

熱い現場

「監督は細かいことは言わず、自由にやらせてくれました。熱い思いがあるのを感じたから、こっちも熱い思いで返す。それに対して、スタッフさんも熱い思いで返してくれた。カメラマンさんの佐光朗さんがハンディカメラで僕らの芝居の中にすごく入ってくれたんですが、僕らの動き次第で、佐光さんの動きがどんどん変わっていっちゃうんです。僕らはけっこう迷うので、何度も何度もテストやるんですけど、それもじっと我慢強く見ていてくれて、すごくいい画をとってくれた。そうすると僕らも、妥協せず勝負しようと思える。僕らは芝居で勝負、向こうはカメラワークで勝負っていうのがすごく感じられたので。そうすると、カメラワークによって、照明さんも音声さんも動くし、みんなギリギリ精一杯のところまで手を抜かずに…ひとりでも手を抜くとよくないんですよ、でも全員そうじゃなくて、やるぞ!っていう職人みたいな熱が感じられたので、それはこっちも負けていられないし、いい映画撮れたねって言われたいし。いい意味で戦えた現場でしたね」。

この作品、製作プロダクションは、セントラル・アーツ。 それで、80年代が舞台といえば、 ドラマ『あぶない刑事』を思い出す人もいるのでは? 一見、軽やかなのに、情が深い。それは、この映画も同じ。 登場人物が実は何かを抱えていたり、体当たりで思い切りぶつかりあったり…。 現代のサラリとした個人主義的な風潮とは、ちょっと違うアツイ感じ。 若い人が観ても新鮮。80年代を知っている人が観ても懐かしい。 そんな人間臭い、青春映画です。 それにしても、ゲッツ板谷って、“コウイチ”っていうんだな…。 ちなみに、隅田靖監督は『ビーバップハイスクール』の現場にいらした方。 仲村トオルも、極まったキャラクターで出演しています。

撮影・取材・文: 多賀谷浩子
スタイリスト: 星野和美
ヘアメイク: 小出みさ

『ワルボロ』
2007年9月8日(土)新宿バルト9他にて公開 

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